熟年離婚

熟年離婚の危機

夫の定年退職をきっかけに離婚をしよう、年金制度が変わる2007年4月を待って離婚をしよう。
と現に考えていらっしゃる奥様達は、多数いらっしゃいます。
きっかけがいつであれ、離婚の時期を待っていらっしゃるのです。
20年も30年も連れ添った夫婦が突然離婚する。
ご主人にとって、晴天の霹靂であり、憤りを感じるところでしょう。
熟年離婚における離婚原因というのは、性格の不一致、浮気問題、暴力など多岐にわたり、悩みを抱えていた期間も数年〜数十年に渡ります。

長い間きっかけを待ち、機会を待って切り出されてしまった離婚話を阻止することは
困難に近いのです。
ただしこれは、ご主人だけに言えることではありません。
離婚の時期を待っているのは、ご主人の方かもしれません。
「うちの妻にかぎって」「うちの夫にかぎって」という思い込みは危険です。
熟年離婚を避けるためには、
自身を見つめなおし、今まで以上の会話や思いやりが必要になるでしょう。

離婚の決意

離婚することが正しいとは言えませんし、間違っているとも言えません。
答えなどないのです。
ですが、離婚する決断をしてしまったのであれば、きちんとした手続きを踏みましょう。

慰謝料

これは、生活の中のすれ違いや、長年の相手の態度というものが理由では、請求するのも難しいでしょう。離婚理由が、女性関係や暴力であれば、請求できます。ただし、証拠が必要です。

財産分与

熟年離婚で重視されるのが、慰謝料より財産分与です。
若い人達に比べ、夫婦として蓄えている資産は多額になります。
家、土地などの不動産、預貯金や退職金、年金など、きちんと話し合い分与しましょう。
「退職金は渡さない!」「俺が稼いだお金だ!」などとご主人が怒鳴るシーンもテレビで見かけますが、退職金も財産分与の対象です。話し合いにならない場合は、調停を申し立てることをお薦めします。
離婚前であれば、離婚調停に財産分与を盛り込みます。
離婚後であれば、離婚後2年以内に財産分与請求の調停を申し立てましょう。

厚生年金の一部請求

みなさんもご存知のとおり、2007年4月より、離婚に伴う厚生年金の制度が改正されます。
今までであれば、離婚後ご主人の年金の一部を受け取るためには、元夫が、年金の中から元妻に毎月決めた額を送金するという形しかありませんでした。
決めた額というのは、離婚時に双方で話し合った額のことですが、離婚後、律儀に毎月年金を送り続けた元夫はどれくらいいらっしゃるでしょうか?恐らく殆どいらっしゃらないといってもいいでしょう。
そこで、2007年4月より、年金制度が変更され、離婚後元妻が、元夫の厚生年金の一部を妻名義に移すことが可能になりました。
今までであれば、長年夫が働き、妻が専業主婦をしていた場合、熟年離婚をしてしまうと、夫は厚生年金と基礎年金を受け取れますが、妻は基礎年金だけしか受け取ることができませんでした。
しかし、今回の年金分割の導入により、最高2分の1まで受け取ることが可能になります。
ただし、「夫が受け取る年金の半分をもらえる」という感じとは意味合いがちょっと違います。
考え方を簡単に説明しますと、
あなたが専業主婦の場合、あなたと結婚してから離婚時まで、ご主人が支払ってきた厚生年金額の最高2分の1までを、あなたが支払っていたことにしましょうという考え方です。
それでは、あなたが専業主婦ではなかった場合はどうでしょう。
あなたとご主人が、結婚してから離婚時まで支払った厚生年金額を「合算した額」の最高2分の1までを、あなたが支払ったということにできます。
ただし、対象となる部分は厚生年金保険に限られています。
ご主人の支払っている基礎年金部分や、
会社によって上乗せされている基金などは対象になりません。

離婚に伴う厚生年金の制度が改正

また、問題点もあります。

問題点 厚生年金の制度の改正の問題点ご主人が厚生年金を支払ってない場合、例えば自営業者である場合などは、分割請求することはできません。
厚生年金の制度の改正の問題点ご主人の厚生年金支払い期間が、25年未満の場合、足りない年数はあなたが支払わなければ、年金を受給することはできません。
厚生年金の制度の改正の問題点ご主人よりも、あなたの方が、高額な厚生年金額を支払っていた場合、ご主人に分割請求することはできません。
利点 厚生年金の制度の改正の利点離婚後年金の分割請求を行うと、ご主人の年金受給額の一部が、あなたの年金に加算され、社会保険事務所から直接支払われます。
厚生年金の制度の改正の利点万一、別れたご主人が死亡した場合でも、年金受給額が減ることはありません。

分割請求の手続き

まず、お二人で離婚の協議を行い、年金額の按分(割合)を決定します。 
前でも書きましたように、専業主婦などご主人の扶養者で生活されていた場合で、最高2分の1です。
按分(割合)が決まりましたら、公正証書を作成します。協議が調わない場合は、裁判所に按分率を決めてもらうことができます。

次に、請求する方の住所を管轄している社会保険事務所で請求の手続きをします。請求者が、実際に改定請求の手続きをしなければ、厚生年金の分割は行われません。
請求にあたっては、

  • 年金手帳、国民年金手帳又は基礎年金番号通知書
  • 戸籍謄本もしくは抄本または住民票
  • 公正証書等の按分割合を定めた書類等
上記の必要書類を添付して手続きを行います。

分割請求の期限

離婚をしたときから、2年を経過するまでの間にしなければいけません。

社会保険庁の情報提供

あらかじめ、按分割合を決めるために必要な情報を把握しておきたい当事者は、社会保険庁に対して必要な情報の提供を請求することができます。
情報提供は、当事者双方又は一方から請求することができます。この場合、離婚していると認められる当事者の一方が単独で請求する場合、提供する情報は、請求した本人のみならず、他方の離婚当事者に対しても通知されます。

年金の離婚分割

情報提供の内容

1. 分割の対象となる期間
2. 分割の対象となる期間に係る離婚当事者それぞれの保険料納付記録
3. 按分割合の範囲
4. その他

情報提供請求に必要な書類

1. 請求者自身の年金手帳又は国民年金手帳
2. 戸籍謄本または抄本等
上記の必要書類を添付し、請求書に必要事項を記入の上、提出します。

事実婚に係る手続き

事実婚とは、婚姻届を出してはいないが、事実上婚姻関係にある状態で、一般的に「内縁」と呼ばれている関係です。
この事実婚を解消した場合に、離婚と同様、厚生年金の分割請求を行うことができます。
ただし、以下のルールがあります。

事実婚の取扱いに関する主なルール

1. 法律婚(実際結婚している)と事実婚が重複している場合、法律婚が優先します。
2. 同じ当事者間で事実婚が続いている場合であって、間隔をおいた第3号被保険者期間が
  複数ある場合、複数ある第3号被保険者期間を一体として分割の対象となります。
3. 事実婚から法律婚に移行した場合、同じ当事者間で婚姻関係が続いていたときは、
  これらの期間を一体として分割の対象となる期間となります。
4. 法律婚から事実婚に移行した場合、たとえ同じ当事者間で事実上の婚姻関係が
  続いていたとしても、これらを別個の分割対象期間と捉えます。

* 被保険者について

  • 第1号被保険者→自営業者等(20才以上60才未満で、第2号・第3号被保険者以外の人)
  • 第2号被保険者→民間サラリーマン(適用事業所に雇用されている70才未満の人)及び公務員等
  • 第3号被保険者→専業主婦等(第2号被保険者の被扶養配偶者)

離婚相談.com−熟年離婚、ページトップへ

離婚に関するお問い合わせ・ご相談はこちら

離婚相談は行政書士法人 Withness ウィズネス 行政書士法人 Withness ウィズネス
〒862-0971 熊本県熊本市大江1丁目13-10(駐車場有)
アクセスはこちら
TEL:096-283-6000  FAX:096-283-6001
MAIL:info@i-rikon.com
スタッフ紹介