離婚判例集
届出に関する判例
| 婚姻無効確認請求事件(昭和62年、新潟地裁) | |
| 内容 | 大韓民国の男性と婚姻した日本人女性が、その届けを提出した当時、 男性には大韓民国に婚姻中の妻がいたことにより婚姻無効を争った事件 |
| 判決 | 婚姻無効を認める |
| 理由 | 重婚による婚姻の取消しを否定できない。 |
| 離婚無効確認請求事件(昭和57年、最高裁) | |
| 内容 | 夫婦が事実上の婚姻関係を継続しながらも、単に生活扶助を受けるための手段として 協議離婚の届出をした事件 |
| 判決 | 協議離婚は有効である |
| 理由 | 夫婦が事実上の婚姻関係を継続しつつ、 単に生活扶助を受けるための手段として協議離婚の届出をした場合であっても、 その届出が法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであるときは、協議離婚は無効とはいえない。 |
| 離婚無効確認請求事件(昭和45年、最高裁) | |
| 内容 | 婚姻の届書が受理された当時、本人が意識を失っていた場合、 その婚姻が有効に成立するかどうか争われた事件 |
| 判決 | 婚姻の届出は有効である |
| 理由 | 将来婚姻することを目的に性的交渉を続けてきた者が、婚姻意思を有し、かつ、 その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、 かりに届出の受理された当時意識を失っていたとしても、 その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、 右届書の受理により婚姻は有効に成立するものと解すべきである。 |
| 離婚無効確認請求事件(昭和37年、最高裁) | |
| 内容 | 妻を戸主とする入夫婚姻をした夫婦が、事実上のの婚姻関係は維持しつつ、 単に、夫に戸主の地位を与えるための方便として、協議離婚の届出をした事件 |
| 判決 | 協議離婚は有効である |
| 理由 | 両者が法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいて届出をしたものであり、 このような場合、両者の間に離婚の意思がないとは言い切れないから、 本件協議離婚を無効とは言えない。 |
財産に関する判例
| 財産分与審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件(平成12年、最高裁) | |
| 内容 | 内縁の夫婦の一方が死亡した場合の財産分与に関する事件 |
| 判決 | 財産分与は認められない |
| 理由 | 法律上の夫婦の婚姻解消における財産関係の清算及び婚姻解消後の扶養については、離婚による解消と当事者の一方の死亡による解消とを区別し、 離婚の場合には財産分与の方法を用意し、 一方の死亡の場合には相続により財産を承継させることでこれを処理するものとしている。 よって、生存している内縁の配偶者が死亡した内縁の配偶者の相続人に対して 財産分与請求権までを有するものと解することはできないため、財産分与は認められない。 |
| 土地建物所有権確認等請求控訴事件(昭和57年、大阪高裁) | |
| 控訴人 | 元内縁の妻 |
| 被控訴人 | 法定相続人 |
| 内容 | 内縁の夫婦が共同で経営する家業の収益をもつて 共同生活の経済的基礎を構成する財産として不動産を購入後、 夫が別の女性との間に子供(被控訴人)をもうけ、夫の死亡により、 唯一の法定相続人となった被控訴人が不動産の全てを相続登記したことによる、 持分権請求と登記の変更を求め争った事件 |
| 判決 | 控訴人が不動産につき、2分の1の持分権を有することを確認し、 被控訴人に対し、控訴人と被控訴人の各持分2分の1の割合による 共有の所有権更正登記手続を命じた |
| 理由 | 正式の婚姻関係であるか、内縁関係であるかを問わず、 妻が家事に専従しその労働をもつて 夫婦の共同生活に寄与している場合とは異なり、 夫婦が共同して家業を経営し、 その収益から夫婦の共同生活の経済的基礎を構成する財産として 不動産を購入した場合には、その購入した不動産は、 たとえその登記簿上の所有名義が夫だとしても、 夫婦間においてこれを夫の特有財産(夫個人の財産)とする旨の 特段の合意がない以上、 夫婦の共有財産として同人らに帰属するものと考えるのが相当である。 |
| 離婚等請求事件(昭和53年、最高裁) | |
| 内容 | 離婚における財産分与額の中に、過去の婚姻費用分担額を含めることが出来るか否か |
| 判決 | 一方が過当に負担した婚姻費用を、財産分与額に含めることができる |
| 理由 | 離婚訴訟において裁判所が財産分与の額及び方法を定めるについては 当事者双方の一切の事情を考慮すべきものであることは民法上明らかであるから、 裁判所は、婚姻継続中に当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算をも含めて 財産分与の額及び方法を定めることができるものと解するのが相当である。 |
離婚の慰謝料に関する判例
| 慰藉料請求事件(昭和46年、最高裁)(平成12年、最高裁) | |
| 内容 | すでに財産分与がなされている場合に、 その財産分与の中に損害賠償も含まれるかどうかを争った事件 |
| 判決 | 慰謝料を請求することを妨げない |
| 理由 | 財産分与は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、かつ、 離婚後における一方の当時者の生計の維持をはかることを目的とするものであって、 分与を請求するにあたりその相手方たる当事者が 離婚につき責任があるか否かを必要とするところではなく、 財産分与の請求権は、相手方の有責な行為によって離婚をやむなくされ 精神的苦痛を被ったことに対する慰藉料の請求権とは、 その性質を必ずしも同じくするものではない。 |
| 損害賠償請求事件(昭和43年、東京地裁) | |
| 内容 | 重婚的内縁の夫が交通事故で死亡した場合につき、 内縁の妻が、扶養請求権を侵害されたとして損害賠償を求めて争った事件 |
| 判決 | 内縁の妻の慰謝料請求を認める |
| 理由 | 重婚的内縁関係は、現行法秩序の歓迎しないところではあるが、 これを絶対無効として除斥し去ることは、社会的妥当を欠く場合もあると考えられ、 これを通常の内縁と全く同様に遇することはできないけれども、 通常の内縁に準ずる保護が与えられるものとみるのが相当である。 よって、重婚的内縁関係にある妻は、夫に対し扶養請求権を有し、 それを侵害された場合は、侵害行為を行った相手方に対し、 損害賠償として慰謝料を請求することができる。 |
| 慰藉料請求事件(昭和33年、最高裁) | |
| 内容 | 不当に内縁関係を破棄した夫に対し、不法行為の慰謝料を求めた事件 |
| 判決 | 婚姻予約の不履行を理由としての損害賠償請求および不法行為を理由としての 損害賠償請求を認めた |
| 理由 | 内縁は、婚姻の届出を欠いているため、法律上の婚姻ということはできないが、 男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、 婚姻関係と異なるものではなく、これを婚姻に準ずる関係ということを妨げない。 よって、内縁も保護されるべき生活関係に外ならないのであるから、 内縁が正当の理由なく破棄された場合には、 故意又は過失により権利が侵害されたものとして、 不法行為の責任を肯定することができる。 従って、内縁を不当に破棄された者は、 相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、 不法行為を理由として損害賠償をもとめることもできる。 |
| 離婚並びに慰謝料請求事件(昭和31年、最高裁) | |
| 内容 | 離婚原因が上告人(夫)の母の冷酷な言動および上告人が それを防止する努力を怠った場合の慰謝料請求ならびに離婚に関する事件 |
| 判決 | 慰謝料請求を妨げない |
| 理由 | 慰謝料は、離婚原因となった相手方の行為が、 相手方の身体、自由、名誉等の法益に対する重大な侵害にあたった場合のみに 請求できると解釈しなければならないものではない。 |
行政書士法人 Withness ウィズネス